ストレス解放までの道のり

介護職員になったことで鬱から立ち直った持田克己が、人々を鬱とストレスから解き放つために、色々と考え事を書き連ねるブログです。

所信表明

川崎市の老人ホームでの利用者転落騒動は

犯人の存在が発覚して事件になってしまいました。


この事件は、介護が必要な高齢者にとって安住の地と

なるべき老人福祉施設のいろんな側面での現状を

浮き彫りにしました。


僕が働いてる施設でもそうですが、

介護職員は利用者の介護、リビングや居室の環境整備のほかに

レクリエーション計画の立案、活動報告そして

それにかかる諸書類の作成、生活の様子の記録など

その業務はとても多忙で、認知症の利用者が穏やかではなく

問題行動を起こしかねない時などになると

職員のイライラはピークを迎えます。


多くの職員は、職場のストレスを他で上手に解消しますが

一部の職員は、残念ながら利用者に手を挙げたり

利用者の金品を盗んだり、他で犯罪行為に及んだりします。


介護・福祉活動を行うことや

そうでなくても例えば弱者を守り抜くのが自分の正義であり

ライフワークだ、という信念を抱いて志高く業務にあたっている

職員でもない限り、介護職員のメンタルヘルスを介護職員自身で

保つのは、現状では非常に厳しいです。


介護職員が心を病む一番の原因は「賃金の安さ」だと、僕は考えます。


ただ、これには異論を唱える人がいます。

賃金だけが高くても、業務多忙でストレスを抱え結局心を病むという意見や

そもそも人間関係が原因だと考える意見があります。


しかし、介護業界全体を俯瞰したとき

「資本主義国」のこの国で、誰が賃金の安い業界で働くでしょうか。

「やりがい」という精神論上の話だけでは、この業界に魅力を

感じることはないでしょう。


もし精神論上の理屈が通るならば、今でも「努力」「根性」という

言葉が生きているはずです。


他に働く場所がなくなった末、食い扶持を求めて

流れ着く場所が介護業界です。

言い換えれば、介護業界に適性がある人財は、もっと稼げる

ほかの業界に流出します。


結果、人間関係をうまく構築できなかったり

ストレスが原因で問題を起こしたりする人材ばかりが集まります。


以上が、僕が「賃金の安さ」を介護業界の

一番の問題と考える理由です。


ときの安倍政権は、労働者が自分の親の介護を理由に

離職する現象を問題視しており、「介護離職ゼロ」を

活動公約に掲げています。

それを実現するには、介護サービスのさらなる充実は必至です。


あるジャーナリストは言っていました。

介護施設やそれを運営する社会福祉法人は、いくらでも設立できます。

運営活動を支える社会保障費もいくらでも捻出できます。

しかし、人材が集まらず、施設を開設できません、と。


「きつい」「汚い」「給料が安い」「結婚できない」

介護業界についたこの4Kを、払拭しなければなりません。


ただ、資本主義で物質欲が高い日本人の意識を

かつてのウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏の意識と

同等のものに変えるのは、ほぼ不可能でしょう。

(ホセ・ムヒカ氏について、ご存じでなければグーグルで検索してください。)


だから、僕は今、現に介護や福祉の現場で働いている

すべての職員のストレスを、少しでも和らげて

すべての職員が自分の職務に誇りを持てて

すべての職員が、少ない給料だがもう少し余裕を持って働けて

少しでも福祉業界を盛り上げて、人材増加につなげようと

まずは、福祉の現場職員のストレスを軽減する活動を

始めようと、決意しました。


この持田を、どうぞよろしくお願いします。